Yukiko Yanagida's blog

柳田由紀子(やなぎだゆきこ)=むかし新潮社の編集者、いまノンフィクション作家、在ロサンゼルス。『宿無し弘文ースティーブ・ジョブズの禅僧』(集英社文庫)で第69回日本エッセイストクラブ賞。「文藝春秋・電子版」にて、伝記「誰も知らないジャニー喜多川」連載開始。米国人の夫と二人暮らし。家事もけっこうまじめにやってます。

「呑んべ横丁」で安心して入れる店、「おでんや」

 この6月、生まれてはじめて「呑んべ横丁」にある店に入りました。これほど長いこと立石にいるのに、本当にはじめて。
おでんや.JPG
 呑んべ横丁については、「終戦直後の娼婦が現れそうな『呑んべ横丁』の項に書きました。ああした空間ですから、この横丁には、立石ネイティブもなかなか足を踏み入れません。  でも、その夜は酔った勢いもあり、友人と「よっしゃ、一度くらいは!」ということになったのです。  そうはいっても、パープル系の看板に「姫」とか「青空」とか「伯爵」とかとか、と書かれているお店は、やっぱり怖い。私たちは、普通の飲み屋の趣がある「おでんや」を選びました。
 時代劇のめし屋のような引き戸を開けて中に入ると、ちょっとした小上がりと、数人座れるカウンター。カウンターの向こうに、40代と思われる男の人が立っていました。この方が、オーナー兼料理人。寡黙な方(無愛想ともいえる。神経質な人は要注意)で、柳橋出身の由。
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 立石再開発計画にしたがえば、呑んべ横丁も近い将来消えゆく運命にあります。そのことを問うと、「おでんや」さんは、「その通りです」と寡黙に答えました。  氏によると、かつては呑んべ横丁でも年に一回、温泉旅行があったそうですが、今はそれも途絶えてしまったとか。 「えー、温泉旅行? ってことは、ママたちの素顔見ちゃったわけですね?」  酔いにまかせてそう訊くと、 「はい」 「すっかり後期高齢化しちゃってるから、すっぴんはすごかったでしょ?」 「いえ、私の口からそれはちょっと……」 「おでんや」さんは、ますます寡黙になるのでした。  秀逸だったのは、「春菊」と「海苔」。「春菊」は、おでん出汁で軽く煮たものをたっぷりと。「海苔」は、生海苔をやはりおでん出汁にたっぷり入れた、いわば生海苔のお椀物です。どちらも300円程度だったと思います。  ふたりで、ビール3本に焼酎2杯、おでん2、3品ずつ(出汁=あご=トビウオ)。これで締めて3千円ほどでしたから、良心的なお店です。
 そうそう、トイレに関して。呑んべ横丁のトイレは共同です。さらに、鍵がないと中に入れません。鍵は、各店が持っているのでお客さん以外は入れない仕組みです。トイレ事態はちょっと暗い感じだったけど、清潔でした。すごぶる酔っていたので、短時間に私は3回も利用した次第です。
おでんや名刺.JPG
 ところで、「おでんや」には電話がなくて、連絡は携帯電話のみのよう。それもどうやら非公開らしい。定休日も決まってないみたいだし、遠くから来るお客さんはどうしたらいいんでしょうかね? ですが、ご心配なく。お店には、名刺が置いてありました。名刺には、ちゃんと携帯番号が書いてあります。番号をゲットしたい方は、まずは一度「おでんや」に足を運びましょう。  なお、この店は、原則深夜0時まで店内禁煙。煙草好きには、チトきつい。
□「おでんや」
住所:〒124-0012東京都葛飾区立石7-1-7
電話:非公開
営業時間:19:00~朝4:00。定休日(不定休) 
メニュー:だいこん、ちくわぶ、こんにゃく、じゃがいも他=¥100
たまご、つみれ、ちくわ、がんも他=¥150
はんぺん、すじ、きんちゃく他=¥200
ビ-ル(中瓶)=450円、サワ-各種=300円~350円
日本酒=「浪の音」純米生1合450円、焼酎=350円
なお、おでん以外のメニューは以下に詳しい。
「酔わせて下町」(http://www5a.biglobe.ne.jp/~nene/