2015年11月25日

謎の禅僧、乙川弘文も登場するスティーブ・ジョブズのドキュメンタリー映画、『Steve Jobs: The Man in the Machine』

『スティーブ・ジョブズ:ザ・マン・イン・ザ・マシーン』

 この度、新アップルTVをゲット。早々、スティーブ・ジョブズを追ったドキュメンタリー映画、『Steve Jobs: The Man in the Machine』(『スティーブ・ジョブズ:ザ・マン・イン・ザ・マシーン』/128分)を見ました。この映画は今夏公開されたのですが、私が短期間日本に行っている間に劇場公開が終了。今は、ストリーミングでしか見られないようです。

スティーブ・ジョブズ
 実は、私、スティーブ・ジョブズが師事した禅僧、故・乙川弘文の伝記を書いていまして、この映画に弘文が出てくると聞いたので見たわけです。

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2014年07月28日

「スティーブ・ジョブズの家」を見て来たよ

 この3年ほど、スティーブ・ジョブズが師事した禅僧、乙川弘文(旧姓・知野)の取材を続けています。

 過日も、取材でシリコンバレーに行って来ました。今回は「弘文その人」というより、「弘文とジョブズ」が主題。それで、ジョブズの足跡を求めて自宅周辺を歩いて来ました。

スティーブ・ジョブズの家
 スティーブ・ジョブズの家。裏木戸、あるいはこれが玄関なのかしら。個人の邸宅ですが、ちょっとだけ外観を撮影させてもらいました。ま、すでに新聞や雑誌に出ているのだからいいだろうってことで。

スティーブ・ジョブズの家
 家の全景。もちろん立派なお家ですが、これまで報道されているように、ジョブズほどのビリオネアにしては、とても清楚で謙虚な印象。

 ただし、やはり個人邸ですので住所はここに記しません。英文でネット検索すればいくらでも出てきます……。

アップルストア
 ジョブズの家には、車でなくても電車と徒歩で行くことができます。最寄り駅は、Caltrainの「California Ave. Station」。

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2014年07月18日

電車とバスで行く:米アップル本社のカンパニーストア徹底ガイド

 車がないと動きにくいシリコンバレーですが、Caltrainという電車を使えば案外いろいろなところに行けます。今回は、そのCaltrainとバスを使って、「米アップル本社のアップルストア」まで行ってきました。

アップルストア
 住所:Apple, The Company Store: 1 Infinite Loop
Cupertino, CA 95014。ガラス扉にも映っている通り、土日、祝日は休み。

 行き方は後述するとして、まずは売っているものを。
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2014年07月15日

スティーブ・ジョブズが愛した石鹸:ドクター・ブロナーのマジックソープ

 スティーブ・ジョブズの最初の恋人であり、第一子、リサの母親でもあるクリスアン・ブレナンの著書、『The Bite of the Apple−A Memoir of My Life with Steve Jobs』(未・翻訳出版)を読んでいたら、こんな文章を見つけました。

“Steve loved Dr. Bronner’s All One soap.” (p. 110)


 Dr. Bronner (エマニュエル・ブロナー/1908-1997)は、戦前にドイツからアメリカに移住した平和主義者。48年に、氏が製造、販売を開始した石鹸は、オリーブ油とヤシ油をベースに、美肌成分、ヘンプ油と保湿成分、ホホバ油をブレンドした100%天然のオーガニック石鹸です。この石鹸、いささか高価だったのですが、60年代に入ると、ヒッピー&エコロジー・ムーブメントを背景に、一部の人々から圧倒的な支持を得たといいます。

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2014年06月27日

スティーブ・ジョブズが愛した禅僧、乙川弘文評伝F

なぜ、ジョブズは弘文を選んだのか?
「Kotoba」(集英社)2013年秋号より転載/文・柳田由紀子


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photo by Nicolas Schossleitner

若い頃から精神世界にのめり込んだジョブズが、
生涯でもっとも長い間向き合ったのが「禅」だった。
とりわけ、日本人の禅僧、乙川(旧姓・知野)弘文(こうぶん)との
30年におよぶ交流がジョブズに与えた影響は絶大だった。
その一端は、コミック
『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』にも描かれている。
知られざる禅僧の人物像に迫る。



「悩んだ時には、死んで棺桶に入ったつもりになって自分を見つめてみる。すると、どうでもいいことがたくさん見えてきて、余計なことを思い煩わなくなる。同時に、大切なものもはっきりとわかるだろう」
 これは、弘文が学生時代に師事した禅僧、澤木興道(こうどう/一八八0〜一九六五年)がしばしば語った言葉である。この言葉、どこかで聞いた憶えがないだろうか。そう、二00五年六月、スタンフォード大学の卒業式でスティーブ・ジョブズが行ったあの有名なスピーチだ。

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2014年06月26日

スティーブ・ジョブズが愛した禅僧、乙川弘文評伝E

セリバシィ(独身主義)をめぐって
「Kotoba」(集英社)2013年夏号より転載/文・柳田由紀子


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photo by Nicolas Schossleitner

若い頃から精神世界にのめり込んだジョブズが、
生涯でもっとも長い間向き合ったのが「禅」だった。
とりわけ、日本人の禅僧、乙川(旧姓・知野)弘文(こうぶん)との
30年におよぶ交流がジョブズに与えた影響は絶大だった。
その一端は、コミック
『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』にも描かれている。
知られざる禅僧の人物像に迫る。



 前号で私は、弘文が「本物」であると確信するにいたったと書いた。ただし、私にはいまだにひとつだけ引っかかっていることがある。それは、彼が三五年間のアメリカ生活で、少なくとも二度の結婚と一度の同棲をしているということ。腹違いの子どもたちも全部で五人である。これって、僧侶としていかがなものなんだろう。
「セリバシィ(独身主義)は難しい問題です」

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2014年06月12日

スティーブ・ジョブズが愛した禅僧、乙川弘文評伝D

京都大学大学院時代、若き日の苦悩
「Kotoba」(集英社)2013年春号より転載/文・柳田由紀子


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photo by Nicolas Schossleitner

若い頃から精神世界にのめり込んだジョブズが、
生涯でもっとも長い間向き合ったのが「禅」だった。
とりわけ、日本人の禅僧、乙川(旧姓・知野)弘文(こうぶん)との
30年におよぶ交流がジョブズに与えた影響は絶大だった。
その一端は、コミック
『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』にも描かれている。
知られざる禅僧の人物像に迫る。


 弘文の死後、乙川家には京都大学大学院時代に書かれた日記や学習帳が残された。そのうちの一冊、『鳳来孫日録 京洛』と題された弘文の日記は、一九六0年九月一三日に始まる。
「今日は故衛藤即応(えとうそくおう)師の月忌である。来月のこの日で御遷化(ごせんげ)より満二ヶ年。即ち三回忌である。御遷化当時を顧れば、あの霧のたちこめた朝の空気が実感となって迫って来る。御通夜の晩の事、お邸からの帰途、星空に向って声をのんで涙を流した事」

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