2015年11月07日

石内都 写真展:『ひろしま』遺品たちが生きる今 於・ゲティ美術館

LALALA magazine 10/23/2015より転載 文・柳田由紀子

石内都

 写真家、石内都の「Postwar Shadows」展が、ゲティ美術館で開かれている(〜来年2月21日)。「横須賀ストーリー」「連夜の街」など初期の作品から、「キズアト」「Mother’s」他、現在に至る石内の足跡を丹念に辿った内容だが、中でも胸を揺さぶられるのが「ひろしま」。広島平和記念資料館が所蔵する、原爆犠牲者の遺品を撮影した写真群である。

 石内氏は語る。

「私にとって原爆は社会的出来事ではないのです。たったひとりの女の子の死。その子が着ていたワンピース、シャツ、靴……遺品たちは、私が生きているのと同じ時間に存在する。その今を撮りたかった」
 基本的に自然光で撮影したという写真を見ていると、ふっと、かつてそれを身につけていた少女たちが、目の前を通り過ぎるような錯覚を抱く。その空気感が、見る者にひたすら〈広島〉を感じさせる展覧会。
 私は、これほど〈広島〉を近しく感じたことはいまだかつてない。


石内都


石内都


石内都


石内都

石内都(いしうちみやこ)
47年生まれ。77年、「絶唱・横須賀ストーリー」で初個展。
05年、『Mother’s』で世界的脚光を浴びる。
写真集に『APARTMENT』(木村伊兵衛賞)、
『1・9・4・7』『ひろしま』他。
13年紫綬褒章、14年ハッセルブラッド国際写真賞。

photos/ Courtesy of and c Ishiuchi Miyako《写真はすべて『ひろしま/ hiroshima』。上より/#9 (Ogawa Ritsu) 2007/#41 (Kawamuki Eiko) 2007/#97F (Wada Yasuko) 2010/#60 (Abe Hatsuko) 2007 *氏名=寄贈者》

石内都
 ゲティ美術館のオープニングで挨拶する石内氏。ロックンローラーみたいでカッコ良かった。










posted by 柳田由紀子 at 09:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 過去の雑誌記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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