2015年06月05日

アメリカ鉄道旅行:米国最強の絶景ルート、「カリフォルニア・ゼファー号」で行くソルトレイクシティ〜デンバーB

 さて、温泉を堪能したところで「カリフォルニア・ゼファー号」の旅を続けましょう。今日は、3回に分けたリポートの最終回、グレンウッド温泉駅〜デンバー駅の模様を。この区間は、風光明媚なソルトレイクシティ〜デンバーの中でも最大の山場。おそらくはアメリカNo.1の絶景ルートです。距離=約300km、所要時間=約6時間半。


カリフォルニア・ゼファー号
 特長@:車窓から谷底が見える。急斜面+谷底+コロラド川の“垂直世界”に、雪と氷が華を添える(夏期を除く)。カヤックと鉄道以外入り込めない秘境。



カリフォルニア・ゼファー号 
 特長A:グレンウッド温泉から東はロッキー山脈。列車は、山肌にへばりつくようにクネクネと進む。Ω状カーブ(米幹線鉄道の曲線規格で、最も急な10度のカーブを描くことから「テンカーブ」とも呼ばれる)の連続。

 ここからは時系列で。


カリフォルニア・ゼファー号 
 グレンウッド温泉駅。普通車両は、プラットフォームで係員が乗客に座席番号を伝える。午後12:13。列車は3分遅れで、いつものようになんのアナウンスもなくゆっくりと動き出した。デンバー到着予定は夕方6:38。

カリフォルニア・ゼファー号
 発車直後から、左側に山山山(グレンウッド・キャニオン)、川川川(コロラド川)のシーニックヴューが。息をつく暇のない絶景が約20キロ。列車は少しずつ標高を上げ、1時間もすると川が凍った風景に。

カリフォルニア・ゼファー号
 食堂車で昼食。食堂車の窓も広いので、景色を見逃すことはない。席に限りがあるため早めに行くことをおススメします(売店で何やかや買うより、いっそ安上がり)。なお、食堂車は基本相席。相席で旅人と話すのも楽しみ。けっこう妙な人もいるしね。

カリフォルニア・ゼファー号 
 食堂車から戻ると、今度は右側の車窓に絶景が。列車は、300メートルもの高さがある斜面を左に抱え、線路にしがみつくように徐行。谷底に凍ったコロラド川が見える。

カリフォルニア・ゼファー号
 絶景は時に右に時に左に現れるので、天井までガラス張りの展望車(ラウンジカー/入場無料)を積極的に利用したい。

カリフォルニア・ゼファー号 
 トンネルが多く(ウインター・パークからデンバーまで31カ所)、トンネルを抜ける度に新たな景勝が姿を見せる。写真は、トンネルに入る直前のラウンジカー屋根から見えた景色。

カリフォルニア・ゼファー号 
 グレンウッド温泉駅を発ってから3時間半後、全米一の厳寒地、コロラド州フレイザーに到着。

 フレイザーを発つと、「モーファット・トンネルに入ります。さあ、準備はいいですか!」のアナウンスが入り、乗客から拍手が湧きました。モーファット・トンネル(1928年〜)は全長9977メートル、標高2816メートルと米鉄道で最高地点にある大トンネルです。トンネル内に大陸分水嶺が通っているので、ここを抜けると西部から東部に移動したことになります。

カリフォルニア・ゼファー号
 4:05pm、ほぼ定刻通りモーファット・トンネルに入る(写真はアーミッシュの人々)。車内は急に深夜のごとく暗くなり、船が荒波に、あるいは飛行機が乱気流に巻き込まれたかのような揺れに。7分後の4:12pm、トンネル通過。

カリフォルニア・ゼファー号
 日が傾き始め、列車はひたすらデンバーを目指す。夕暮れに山、山、山、崖、崖、崖の風景。幻想的な大自然に畏怖の念。徐々に降下しているのだろう、気圧の変化に耳がツーン。

 4:55pm。あるトンネルを抜けると、「あ!」、乗客からため息と驚嘆が混じった声が上がりました。風景は山岳から一気に平野に変わり、かなた前方に街の灯がきらめいています。終着地点のデンバーです。




 そのうちに、「デンバーの手前を走行中。朗報です。時刻表より20分早く到着できそうです」と、遅延名物の米鉄道には稀有な放送が流れ、再び車内に拍手が起こりました。
 ところが、その直後に謎の停車。
「故障です。原因がわかり次第お知らせします」
 やっぱり……。謎の停車は「お知らせ」がないまま1時間も続き、次のアナウンスは唐突にも「間もなく発車、到着!」。あらら、なんで「故障」と「到着」の間になんか放送しないかなぁ。

カリフォルニア・ゼファー号 
 デンバー駅には、進行方向を真逆にして最後尾の車両から入って行く。ガバっ! と、列車の最後部が開きデンバー駅が現れる様は、まるで蜷川幸雄氏の芝居を見ているよう。デンバー到着前は、最後尾車両に行くことを強くおススメします。

カリフォルニア・ゼファー号」は、結局、時刻表1時間遅れでデンバー駅に到着。〈秘境、大自然〉から、いきなり〈大都市、文明世界〉に滑り込んだ不思議な感覚でした。ソルトレイクからデンバーまでの都合15時間は、あれ〜とか、ぎゃー!とか、ふぅ〜とか言っているうちにあっという間に流れて、なんだか夢うつつな私なのでした。次回は、デンバーからソルトレイクを目指してみようっと。




カリフォルニア・ゼファー号は、
サンフランシスコとシカゴを結ぶ。
1日1便発着。
グレンウッド温泉〜デンバー間は最大の華
(普通座席42ドル〜)。時刻表他、詳細は↓。






*アムトラック・デンバー駅の目の前には、旧駅舎、ユニオンステーション(1881年〜)があります。2014年夏、レストラン、ショッピングモールとしてリニューアルオープン。特に1階の「ターミナルバー」は、切符売場をリモデルした鉄道駅らしい空間。構内には、他にホテル(the Crawford Hotel)も。

posted by 柳田由紀子 at 14:26| Comment(0) | アメリカ鉄道旅行  | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]