定刻通り午前3時少し過ぎ、暗闇に浮かぶソルトレイク中央駅に「
カリフォルニア・ゼファー号」が入ってきました。2階建て14両編成のその姿は威風堂々です。
ソルトレイク中央駅にて、出発を待つアーミッシュの人々。この路線、アーミッシュがしばしば利用するようだ。
懐中電灯を持った車掌に案内されて列車に乗り込むと、車内は消灯時間帯で人々が寝静まっていました。空いていたので、2座席利用して当方も就寝。ソルトレイクから、今回途中下車するグレンウッド温泉駅までは約9時間。寝台を利用してもいいけれど、3時間もすれば夜明けだし、空いていれば普通寝台よりいっそ広いし、普通席で充分かと(普通車両運賃$60.00〜。www.amtrak.com)。寝台と違ってシャワーは浴びられないものの、どうせ温泉に行くんだしね。
「朝食の用意ができました」−−ダイニングのアナウンスで目を冷ますと、早朝7時過ぎ。
寝ぼけ眼でぼーっとしていたら、進行方向右の車窓にグリーン川が。ロッキーに発し、途中名をコロラド川と変えてメキシコまでいたる大河だ。
グリーン川に続いて、今度は左車窓に赤砂岩の絶壁が延々と。ユタ州とコロラド州をまたぐ全長40キロのルビー渓谷。さすがの景勝ルートである。
列車は少しずつ高地へと移動していきます。身を横たえると勾配が全身に伝わり、先人たちが挑んだ〈垂直との戦い〉に想いを馳せずにいられません。
10時23分、時刻表通り、コロラド州グランドジャンクション駅到着。ここは戦中、多くの日系人が避難した街。日系人が西海岸3州他から退去を命じられた時、積極的に受け入れたのがコロラド州だった。
グランドジャンクションを出発した列車は、デベック渓谷に。モニュメントバレーにも似た全長32キロの大渓谷に粉雪が舞う。ロッキー山脈に近づくにつれ車窓は雪景色に変わり、絶景の足音が刻々と近づく。
♪粉雪舞い散る 小樽の駅に〜。〈昭和な私〉が一杯飲みたい気分で、♪あ〜あ、ひとり残して〜と唄っている間に列車はビーバートンネルへ。
トンネルを抜けると、そこは粉雪を越えて雪国だった。芸者駒子、上から読んでもコマコ、下から読んでもコマコ。バカ呟いている間に、左手にコロラド川が見えてきて、「列車は、まもなくグレンウッド温泉駅に到着です」のアナウンス。
12:10pmのグレンウッド温泉駅。遅れることが多いアムトラックにあって、珍しく定刻の到着です。おぉ、線路の向こうに湯けむりが! 山あり川あり湯けむりありの光景は日本の温泉地を彷彿させる。プラットフォームに降り立つと鼻腔にプ〜ンと硫黄の香りが漂った。
「カリフォルニア・ゼファー号」で行くソルトレイクシティ〜デンバー@
→米国最強の絶景ルート
「カリフォルニア・ゼファー号」で行くソルトレイクシティ〜デンバーB
posted by 柳田由紀子 at 14:21|
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