2014年11月18日

世界の温泉:オーストリアの三大名湯、「バート・イシェル(Bad Ischl)」

 オーストリア中部にある「バート・イシェル」は、ドイツ文学者&温泉が大好きな池内紀さんが、オーストリア三大温泉のひとつに挙げている名湯です。

 まずは、池内先生の文章を引用しましょう。
「あちこちに塩鉱があり、とめどなく食塩水があふれている。成分は二七パーセントあってヨーロッパで一番。三・四パーセントの海水ごときがものの数ではないのである。ちなみに塩分が濃いので有名な死海ですら二四パーセント。」(『西洋温泉事情』池内紀他、鹿島出版会)

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*絶版ながら名著です。もちろんバート・イシェルも登場。


バート・イシェル
 写真は、バート・イシェルで温泉に入浴できる唯一の施設、「Eurothermen Resort」(入湯料/含・サウナ=24ユーロ。料金の詳細は文末のHP参照。入湯料を払うと、センサー鍵付の腕輪を渡される。これでロッカーは安全&無料)。プールは34度(C)〜36度程度。日本人の感覚からするとかなりぬるいので、秋以降に訪れる場合は、サウナ券を買うことをおすすめします。

 街のホテルにもプールはありますが、行政のルールで温泉を引けるのはここだけなんだそうです。
 Eurothermen Resort=1階と屋外は水着着用。サウナコーナーは、すっぽんぽんの男女混浴。男女が全裸で臆することなくサウナやお湯に入ったり、ブーラブラと歩いたりしていました。日本の混浴より、断然おおっぴらのあっけらかん。
 また、更衣室も男女共用です。更衣室の一隅に、ひとりで着替えできる小部屋もありましたが、利用している人はあまりいませんでした。私には、ヨーロピアンの恥の概念がイマイチわからない……。




 バート・イシェルの温泉、確かに塩分がめちゃくちゃ濃かったです(パンフレットによれば、プールの塩分濃度は3%。池内先生が言及している27%の自然水を薄めているのでしょう)。たとえば、翌日に指を舐めたところまだ塩っぱかったほど。
 また、炭酸の濃度もとてつもなく高かったです。湯につかっていると、肌に泡がたくさんついて少々気味が悪いほどでした。それほどの名湯です。実際、オーストリアの国民健康保険を利用して、この街で湯治することができるらしいです。
 ただし、温泉の成分表も張り出されていないし、スタッフに訊いても「成分の詳細はわからない」とのことで残念。また、屋内プールは塩素の匂いもきつかったです。これまた残念。

バート・イシェル
 三方を山に囲まれたバート・イシェル駅。季節外れだからか、バート・イシェルに向かうローカル線は、老人と、温泉好きなアジア人しか乗っていない不思議な列車だった(^o^)。
□列車でバート・イシェル(Bad Ischl)へ行く方法。
*最も近い大都市はザルツブルグ(Salzburg)。
ザルツブルグからアットナング=ブッフハイム(Attnang-Puchhein)まで約45分。
ここで乗り換えてバート・イシェルまで約50分。
*ウィーンからはやや遠く、
ウィーン〜アットナング=ブッフハイム(Attnang-Puchhein)まで約2時間。
ここで乗り換えてバート・イシェルまで約50分。
*なお、列車スケジュールや所要時間の検索は、以下のサイトが大変便利。


バート・イシェル
 ザルツブルクの南東一帯は「ザルツマンマーグート」(「塩の宝庫」といった意)と呼ばれる。山々が聳え、湖が点在。写真は、アットナング=ブッフハイム駅〜バート・イシェル駅間を走る列車の車窓から見えるトラウン湖。この湖も塩っぱいはず。
ここからは、バート・イシェルの街を紹介

バート・イシェル 
 山があって、川があって、湯煙りがもくもくーー日本もオーストリアも、湯治場の雰囲気は同様ですね。写真は、バート・イシェル市内を流れるトラウン川。

バート・イシェル
 世紀末から第一次大戦にかけて、バート・イシェルは隆盛を極めました。まずは、1820年代にウィーンの名医が当地の塩水湯治を推奨。次いで、長年世継ぎに恵まれなかった皇帝フランツ・カールが湯治したところ、1830年にフランツ・ヨーゼフ一世(1830〜1916)が誕生。「塩のプリンス」と称されたフランツ・ヨーゼフ一世が、長じて当地を毎夏の避暑地に選んだことで、バート・イシェルの名声は決定的に。
 写真は、皇帝時代からある駅前の郵便局。皇帝の避暑地ともなれば郵便局も豪奢です。

バート・イシェル
 現在インフォメーションセンターがある旧飲泉所(Trinkhalle)。元々は、1829年、男女各20の浴槽とサロンを完備した大温泉施設だったそう。

バート・イシェル
 グリム童話に出てくるような、可愛い家並みが続く。

バート・イシェル
「皇帝の街」がウリだけあって、民族衣装を現代風にアレンジした服飾店があちらこちらに。かなり高級、高価です。

バート・イシェル
 バート・イシェルの地図(クリックすると拡大します)。小さな街なので、1時間もあれば一周できる。フランツ・ヨーゼフ一世の別荘、「カイザーヴィラ」は名所。皇帝は、この別荘で第一次大戦の宣戦を告げる文書に署名したといわれる。

再び、温泉施設「Eurothermen Resort」の情報を

バート・イシェル
 温泉施設、Eurothermen Resortの入口。駅から徒歩1分のまさに“駅前温泉”。1931年、オーストリア地方政府が、いつくかに分散していた温泉施設を統合、「クアハウス」を作ったのが始まり。その後「カイザーテルメ」と改称され、現在はEurothermen Resortと呼ばれている。
 なお、Eurothermen Resortは、隣の「Royal das hotel」と通路で結ばれている(ことを、当地に来て初めて知った)。

バート・イシェル
 屋外プール(露天風呂)。写真だと寒々しいですね。でも、空気がキーンと冷たかったので、お湯につかっていると気持ちが良かったです。好きだったのは流れるプール(露天風呂)。途中に洞窟とかがあって楽しかった。

バート・イシェル
 上の写真の露天風呂、パンフだとこんな感じ。この写真、それほど誇張じゃないです。全体に洗練されたデザインの建物です。

バート・イシェル
 ゆったりくつろげるコーナーがふんだん。更衣室にはドライヤーもあり。
 Eurothermen Resortには、屋内大プール、ジャグジー、屋外プール、レストラン、そしてサウナ施設内にサウナ、蒸し風呂、大浴場、小浴場など、とにかくたくさんの施設が揃っていました。

Eurothermen Resort
営業時間: 毎日 9 am - 12 pm
(曜日によって異なるので、詳細は下記HP参)
料金:4時間まで=16.60ユーロ(サウナなし)
1日券(含・サウナ)=24ユーロ
その他、泥パックなどエステ各種もあり
(詳細=下記HP参)
Address: Voglhuberstraße 10 A -4820 Bad Ischl
Tel : +43 6132 204-0

さて、以降は私が宿泊したホテルについて

バート・イシェル
 私は、駅徒歩5分、トラウン川沿いにある「Hotel Goldener Ochs」というホテルに泊まりました(写真の黄色い建物)。大変感じの良いホテルでおすすめです。
 でも、EurothermenResortに隣接したRoyal das hotelも魅力的ですよね(だいぶ高いみたいだけど)。
 なお、バート・イシェルのホテル探しには、以下のサイトが役立ちます。


バート・イシェル
 Hotel Goldener Ochsの宿泊代(ダブルルーム)=私が泊まった季節外れは102.00ユーロ(含・city tax)。WiFi無料、テレビ、コーヒーメーカー、冷蔵庫、ドライヤーあり。

バート・イシェル
 部屋に用意されたバスローブやタオル、温泉通い用のオレンジ袋。すべて、ホテル外に持ち出しオーケー。Eurothermen Resortに通うのにとても便利。

バート・イシェル
 かっこいいプールもあり。ただし、前述のように行政の決まりで温泉ではありません。

バート・イシェル
 湯上がり後、ホテル内のレストランで夕食。上等なマスのムニエル。同行者はジビエで鹿のステーキ。2人で飲んで食べて1万円ちょい。
 朝食は宿泊代に込みで、ソーセージ、ハム、生ハム、チーズ各種、フルーツなどなど、充実のバッフェスタイル。
Hotel Goldener Ochs
Address: Grazer Straße 4,
A-4820 Bad Ischl im Salzkammergut
Tel: +43 (0)6132-23 5 29









posted by 柳田由紀子 at 09:17| Comment(0) | 世界の温泉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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