2013年12月23日

本気料理のレシピ=「スタッフド・ローストチキン(詰め物入り鶏の丸焼き)」

 クリスマスはみなさん、鶏の丸焼きでしょうか? これ、私の得意料理であります。2日がかりでこさえます。今日は23日なので、みなさん、まだ間に合います。また、1日に短縮することもできるので、明日でも間に合います。1日でこさえたい方は、(1)と(2)の作業を食べる当日に行い、(3)と(4)ははしょってください。
 なお、この料理、手間もかかるし、初心者にはハードルが高いです。中級以上向き。ただし、上手に出来たら、この上もなく美味しいことを保証します。

 *もう少し楽をしたいむきには、ローストビーフがおすすめです。スタッフィングを作らなくていいので、その分手間が省けます。
 

ローストチキン1.jpg


*用意するもの=鶏1羽、タマネギ、セロリ、ニンジン、ニンニク、リンゴ(なくても)、スタッフィングのキューブ(詰め物・以下の注参照)、バター、小麦粉、塩、胡椒。

ローストチキン2.jpg
(注)スタフィングのキューブとは、キューブ形に切ったパンを乾燥させたもの。自分で作らなくても、コンソメ風においしく味付けされた出来合いの物があります(上の写真の袋)。日本でも、クラフトのものが買えますね。

アマゾンでも売っています。


ローストチキン
 スタッフィングのアップ。この料理は、スタッフィングとグレービーソースが決め手です。極端な話、この2つがないなら、鶏の丸焼きなんて作る必要はないとさえ私は思う。キリスト教は、父と子と聖霊の三位一体。この料理は、鶏とスタッフィングとグレービーの三位一体です。

ローストチキン5.jpg
(1)タマネギ、セロリ、ニンジンをざくざく切る。リンゴはここでは不要。みじん切りでなくてオーケー。ざくざくと。セロリは多い方がおいしいです。セロリが嫌いな人でも大丈夫。量は適当ですが、今回は、タマネギ小2、セロリ5本、ニンジン1本。

ローストチキン3.jpg
(2)鶏に、塩、胡椒、ニンニクをすり込む。足の裏にも、お腹の中にも、羽の裏にも、ぐにゅぐにゅとむにゅむにゅと愛情を込めて。好きな方はローズマリーのみじん切りをまぶしてもいいです。 今回は、直球でいきたいので、なし。 今日の鶏は、6.3ポンド=2.9キロ。

ローストチキン4.jpg
(3)バットに、さっきザクザク切った野菜を敷いて、鶏のお腹にも野菜を詰め込んで、背中にも載せて、ラップをする。1日目はここまででおしまい。こうやって、鶏には1晩寝てもらう。

ローストチキン6.jpg
(4)翌日。おはよう、チキン。鶏と野菜を完全に分ける。お腹の中の野菜も忘れずに。

 冷蔵庫から出した鶏を室温に戻している間に、まずは、スタッフィングを作りましょう。

ローストチキン7.jpg
(5)鍋に油をしき、野菜をすべて炒める。この時、セロリの葉は炒めずにとっておく。最初中火で、水気が出てきたら弱火で。

ローストチキン8.jpg
(6)野菜をしんなりするまで炒めたら、鍋を火から下ろす。

ローストチキン9.jpg
(7)別鍋で、ザクザク切ったリンゴをしんなりするまで炒める。

ローストチキン10.jpg
(8)炒めた野菜とリンゴ、バター、温めたコンソメ(ただのお湯も可)とスタッフィングを合わせる。野菜とスタッフィングの割合は好みですが、今回はスタッフィング3カップに対して、炒めた野菜=1.5カップ、炒めたリンゴ小1個分。そこに、バター=小さじ2杯、温めたコンソメ(ただのお湯も可)=4分の3カップ。この時、野菜が余りますが、これはグレービーソース用にとっておいてください。

ローストチキン11.jpg
(9)(8)をよく合わせると、このようにすべての食材がしんなりとなじみます。最初なじみにくいので、コンソメ(湯)を余分に入れたい衝動にかられますが、我慢してください。水気が多いと、最後ぐっちゃぐちゃになっちゃいます。スタッフィングができたら、冷めるまで寝かせてください。

ローストチキン12.jpg
(10)やや、グロい写真ですが😞、(9)を鶏のお腹にめいっぱい詰める。(9)が余った場合は、小口に分けて冷凍。次回の調理時に使えて便利です。

ローストチキン13.jpg
(11)鶏のお尻を串4本でクロスさせて止める。料理用の針や糸を使うよりダン然楽チンです。串で充分。以上をバットに網をしき、その上に載せていよいよオーブンに。オーブンの温度=160度(C)。調理時間の目安は、鶏が1キロ以下=1〜2時間、1〜2キロ=2〜3時間、 2〜3キロ=3.5〜4時間。なお、オーブンはあらかじめ熱しておいてください。スタッフィングを冷ましている間に、熱し始めるとちょうどいいかもしれません。

 鶏を焼いている間に、グレービーソースをこさえましょう。

ローストチキン14.jpg
(12)(8)で残った野菜を、タマネギが茶色くなるまで「弱火」で炒める。焦がさないように、根気よく。

ローストチキン15.jpg
(13)(12)の飴色にまで炒めた野菜に、水(鍋の中間くらいまで入れる)とコンソメ固形、炒めずにおいたセロリの葉っぱを入れて、 こちらもオーブンにぶち込む。

ローストチキン16.jpg
(14)鶏の途中経過。色白なのでまだまだ。時々、バットに溶け出した鶏の油を、背中にかけてあげてね。

ローストチキン17.jpg
(15)はい、これくらい浅黒くなったら完成。今日の鶏は約3キロだったので、4時間ほどかかりました。心配な方は、肉の温度を測る温度計を使ってください。80度(C)で出来上がり。オーブンから取り出し、アルミホイルでくるみ、肉を約20分寝かせる。ここで寝かせるのが大事。エキスが鶏全体に巡りジューシーになります。この時、同時に(13)の鍋もオーブンから取り出す。鍋が熱くなっているので要注意。
 

 

 鶏を寝かせている間に、グレービーソースを完成させましょう。

ローストチキン18.jpg
(16)今、あなたのバットはこんな風になっているはず。まず、油を取り除いてください(ほとんどが油です。バットを「そっと」斜めに傾けると、下の方に少し色の深い液体が見えますよね? それが、残しておくべき肉汁です)。そして、肉汁と、バットにこびりついたおこげを、スプーンやフォーク(理想は、お好み焼きのヘラ)でこそげとり、(13)の鍋に加えて、弱火〜中火で煮込んでください。丁寧に慎重に。おこげ大切。温めているうちに、(15)の寝かせている鶏からも肉汁が出るので、それも加えて煮込んでください。なお、油はラーメンなどのスープに加えるとおいしいので、瓶に入れて冷蔵庫に。

キッチン用具
 ところで、アメリカにはこういうものがあります。比重差を利用して、肉汁を残し油を捨てられる容器で、物凄く重宝です。日本ではまだ売られていないようで、残念。

ローストチキン19.jpg
(17)スープがなじんだところで漉す。漉した野菜は捨てる。出がらしなので捨ててオーケー。

ローストチキン20.jpg
(18)バターを溶かし、小麦粉を混ぜてペースト状に。これを、少しずつ(17)に加えてとろみをつければ、グレービーソースの完成です。ダマにならないように、泡立て器などを使って丁寧に混ぜてね。

ローストチキン
(19)お腹からスタッフィングを取り出し、鶏を解体。グレービーソース(写真/右上の茶色いの)、野菜の付け合わせ(今回は温野菜インゲンとニンジン)を添えて、食べる!








posted by 柳田由紀子 at 19:02| Comment(4) | 本気料理のレシピ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
友人から報告あり。クラフトのスタッフィング・キューブ、池袋西武のザ・ガーデンにて170g/578円とのことです。アマゾンの方が安いけれど、送料がかかりますね。
Posted by 柳田由紀子 at 2013年12月23日 22:00
カナダ・オタワから初めてコメント書かせていただきます。
ずいぶん工程を手抜きしたのですが、感激するくらいとてもおいしくできました!
夫とふたりの息子がおいしいおいしいとパクパクたべてくれました。

お腹から取り出したスタッフィングはどうさていますか?
私はスタッフィングもおいしいのでチキンといっしょに食べたのですが、息子が鶏肉ばかり食べてスタッフィングが余ってしまって何かアレンジできないか考えているのですが、アイデアがあれば是非おしえていただきたいです。
Posted by Eiko at 2015年04月18日 08:45
Eikoさんへ
うれしいコメントをありがとうございます!
うちはスタッフィングが残ることはまずないのですがーー、
ラップにくるんで冷凍。
気がむいた時に、
鶏肉を薄くのばした中に入れて、
チキンロールにする手があります。
チキンロールが面倒な場合は、
ただチキンをソテーして、
横に添えてもいいです。
ちょこっとでもスタッフィングがあると、
うれしいものですよ。
Posted by 柳田由紀子 at 2015年04月18日 08:59
チキンロールとてもいいですね!!ぜひやってみます^^
すてきなアイデアありがとうございます!
Posted by Eiko at 2015年04月19日 23:16
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。