アメリカは車と飛行機の国だけれど、それでも、「アムトラック」と呼ばれる鉄道旅客輸送公社があって、それなりにいろいろな地域に列車を走らせています。
この秋、単身赴任中の夫に逢いに、ロサンゼルスからセントルイスまでアムトラックの旅をしました。アメリカが広いことと、アムトラックが遅いこと、2つの事情から3泊4日の長旅でしたが、「もう降りたくない」と思ったほど良かった。
そこで、1日目の様子から。
ロサンゼルスのダウンタウンにあるロサンゼルス・ユニオン駅。スパニッシュな駅舎にパームツリー、そして青空。出発時刻は夜の10時でしたが、近くにあるリトル東京で日本食を食べるために早めに到着。
ロサンゼルス・ユニオン駅の内部。重厚(1939年〜)。映画のロケにも度々使用されています。構内にある「TRAXX」というレストランは評判が良いのですが、まだ入ったことなし。いずれ。
セントルイスまでのチケット(写真下)。ロサンゼルス〜サンアントニオまで「サンセット・リミテッド号」の寝台車で(2泊)。サンアントニオ〜セントルイスは「テキサス・イーグル号」の普通車両(1泊)。全部で$311.00。内訳は、乗車券=$155.00、寝台券=$156.00。つまり、普通車両だけを使えば、ロサンゼルスからセントルイスまでわずか155ドルで行けちゃうわけです。なお、運賃は日々刻々と変わる。特に寝台車は空室具合によって、値段が格段に異なります。私は、マメなチェックでラッキーにも156ドル。
運賃および予約は→https://www.amtrak.com
プラットフォームへ。ロサンゼルス・ユニオン駅は広いので、アムトラックが用意した電気自動車が人と荷物を運んでくれる。
いよいよ乗車だ、じょーしゃ!
寝台個室から眺める夜のプラットフォーム。ゆっくりと、誠にゆっくりと動き出した列車に旅情が高まります。30分遅れの出発進行。日本なら30分遅れたら大騒ぎだけど、アメリカ人は平気の平左。放送さえなかった。
私の部屋は普通個室。2段ベッドになるので2人まで泊まれるが、今回はひとりじめ。なお、料金はひとりでも2人でもほぼ同じ。つまり2人なら1/2なわけですが、2人だとちょっと狭すぎるかな。
寝台車両の廊下。アガサ・クリスティの映画みたい。
「食堂車におやつが用意されています」の放送があるも、グズグズしていたら終わっちゃってた。朝食まで待つとしよう。すでにお腹がすいているので、とても楽しみ。
シャワールームもあり。 ただし、使用できるのは寝台車の乗客のみ。
シャワールームの前には、タオルもたっぷり。石鹸もたっぷり。ケチくさくなくていい。こういう時、環境問題については考えないことにする。
寝台個室にも、このようにバスタオルと小さなタオルが用意されている。
シャワーを浴びてさっぱり。夜中1時。静寂の中、車窓に夜の街が流れていく。でも、時々、スポットライトを浴びたビルボードが、ニョキっと目の前に現れる。寝台個室は列車の2階にあるから、高い位置にある物が目の前を通り過ぎておもしろい。いつも見慣れたロサンゼルスや郊外の街を、この角度から見たのは初めてだ。車社会で人が歩いていないから、眺めていると未来都市に迷い込んだような感覚。
時が過ぎるにつれて、原っぱが多くなった。原っぱの間に、ぽつんぽつんとスパニッシュ風の小さな駅舎。そろそろパームスプリングス辺りでしょうか。
ボーボー、ボーボー、汽笛が聴こえるよ。
それでは、みなさまおやすみなさい。
サンセット・リミテッド号は、ロサンゼルスとニューオリンズを結ぶ。
→アメリカ鉄道旅行:ロサンゼルスからセントルイス 2日目 朝から昼まで